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vol.

013

JULY
2016

vol.013 / 特集

東京記録

Record No. 001:公立図書館

東京にまつわる様々なデータや数字という事実から、この街の姿を見て感じる「東京記録」。みなさんは、東京にいくつ公立図書館があるか知っていますか? 日本のすべての出版物が集まる国立国会図書館、東京都が運営するふたつの都立図書館、そして各区市町村が設立した図書館を合わせたその数は、実に419。所蔵物や施設の特徴を調べてみると、様々な「地域性」が見えてきました。図書館には、街の個性が映し出されている。そんな視点で図書館を利用してみると、新しい発見があるかもしれません。


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A
約1万7000タイトルの雑誌がずらり
都立多摩図書館「東京マガジンバンク」

明治から近現代期の、幅広いジャンル・言語の約1万7000タイトルの雑誌を所蔵。立川市から国分寺市への移転作業中で、現在の立川館は7月31日まで休館、8月1日から12月19日まで規模を縮小して開館、新館は2017年1月下旬オープン予定。オープン後はコレクションを増やしていく予定だそうです。


B
子供向けの本が充実
練馬区

児童資料が一番多いのは、練馬区で56万4556冊です。練馬区立図書館では、赤ちゃんとその保護者向けに、絵本を通してふれあう時間を過ごす「ブックスタート」を開催。4か月児健診時に配られる「絵本引換券」と母子健康手帳を持って赤ちゃんと参加すると、絵本セットが受け取れるそう。


C
圧巻のレコードコレクション
文京区立小石川図書館

区市町村別のレコード所蔵数の1位は、文京区で1万9686枚。2位の新宿区の所蔵数4797枚※と比べると圧倒的です。約2万枚にもおよぶレコードの数々は、すべて小石川図書館で所蔵。クラシック、ジャズ、唱歌や落語のほか、懐かしのポップスやロックのお宝音源も多くそろっています。


D
街を走る3台の移動図書館
町田市

東京都の市区町村で2台以上の移動図書館車が活躍しているのは、町田市だけ。移動図書館車「そよかぜ号」は、約40年前から市内を巡回しています。面積が広くて東西に長く、さらに起伏の多い地形なので、「近くに図書館がない人でも読書を楽しんでもらえるように」と始められたそうです。


E
本が最も多いのは?
杉並区

図書総数の1~3位は上のとおり。1位の杉並区は、13館ある区立図書館のそれぞれの面積が広く、所蔵できる資料の数も多いのです。また、2位の世田谷区と3位の大田区には16の区立図書館があり、東京の区市町村のなかでトップの数です。


F
外国の人にもうれしい
港区

港区は、欧米をはじめとした外国の人が多く暮らしている地域。みなと図書館などでは、そんな地域性にあわせて外国語の本を豊富にそろえています。立川市は米軍基地を契機とした米国都市との交流や、外国人の増加があり、中央館設立時から外国語資料の所蔵に力を入れていたそう。


※【出典】東京都立図書館「平成27年度 東京都公立図書館調査」から国立国会図書館と都立図書館をのぞいて集計

編集・執筆:平林理奈 / Playce