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vol.

014

SEPTEMBER
2016

vol.014 / 往復書簡

伊賀大介(スタイリスト) × 戌井昭人(作家/鉄割)

東京を舞台に、日々の想いを交換するふたり

6

第 6 通 戌井昭人→ 伊賀大介

2016.11.16

伊賀くん、こんにちは、早いもので、これで最終回ですね。そして冬到来、すぐに来年になっちゃいます。早く、Tシャツだけで過ごせる季節が来ないかと、いまから思ってます。でも伊賀くんの言うように、冬場はタバコがうまい。そして、寒い外から、居酒屋などに入ったときの暖かさ、香る熱燗、などなど、あのオアシス感もたまりません。
でもって、プリントTシャツ、自分は、最近はあんまり着なくなってしまったけれど、昔は、『ダウン・バイ・ロー』の映画のTシャツを高円寺のビデオ屋で買って着てました。あと、町田町蔵の「ほな、どないせぇゆうね」と書いてある、それもロングの黒Tシャツも、ボロボロになるまで着てました。そういえば、このまえ、チェ・ゲバラのTシャツ着てる人に、「この人は誰か知ってる?」というインタビューをやってましたが、知らないで着ている人が結構いました。でも、「バンド知らないけど、バンドT着ようぜ」っての、そこまでひらきなおったら逆に良い感じもします。あと、自分は、バンドTシャツだと、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの着てた(バナナのじゃなくて、メンバーの写真のやつ)、でも、あのころの自分、なんだか、やたら自己主張が強かったような気がします。
そうだ、いま書いてて思い出したけど、小学生のころ、伯母のイギリス土産で、「BBC」って書いてあるトレーナーもらって、それ着て秋葉原歩いていたら、「おー、ビービーシー」と外国人5、6人に取り囲まれて、みんな喜んで、なんか話しかけてきたんです。もちろん、そのころの自分は「BBC」がイギリスの放送局なんて知らなかったのですが、いま思うとあれはBBCの人たちだったみたいです。モンティ・パイソンのメンバーとかだったら感動ものなんだけど、たぶん違います。とにかく、そんなことがありまして、自分もなにも知らずに、文字の書いてある服を着てました。すんません!
そしてガリの付くラーメンとても興味あります。自分、ガリ大好きなのです。それにしても、どうしてガリなんだろか? 浅草にガリが美味い寿司屋があります。その店で漬けているんだけど、ピンクの既製品の安いガリも好きです。
でもって、次は、どこ飲みに行こうかと考えまして、やっぱ、新宿だね。
西新宿から、歌舞伎町、ゴールデン街、三丁目、などなど、渡り歩いて、最後、漫画家・東陽片岡さんのいる荒木町ってのはどうでしょう。新宿、横移動です。
とにかく、会って、飲んで、タバコ吸って、喋りまくって、唄って、翌日、声ガラガラになりましょう。

  • 戌井昭人

    1971年、東京世田谷生まれ、調布育ち。変テコなパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」で、脚本書いたり出演したり。小説を書いています。『すっぽん心中』(新潮社)で川端康成文学賞をいただきました。『俳優・亀岡拓次』が映画になりました。今後も、いろいろ書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。