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vol.

015

DECEMBER
2016

vol.015 / 往復書簡

植本一子(写真家)× 尾崎世界観(音楽家/クリープハイプ)

東京を舞台に、日々の想いを交換するふたり

3

第 3 通 植本一子→尾崎世界観

2016.12.21

尾崎くんへ

まさか名前について書いてくるとは思わず、純粋に嬉しかったです。さて、尾崎世界観。「世界観」って文字からは、私はすごく大きい感じをイメージするのだけど、そもそも世界観って人それぞれが勝手に作る見方よね。私にとっての尾崎くんは、原稿を携帯で書いてるって聞いた時、あぁそれっぽい!というか、いいなぁ、と思った。尾崎くんは、パソコンや原稿用紙じゃないね。背中を丸めて、布団にもぐって小さくなって書いてる感じがします。小さな掌と華奢な体で、大きな世界に対抗してる印象。(そういえば最近ジムで鍛えてるらしいね)

もうすぐクリスマス、そしてあっという間に年末だけど、尾崎くんはそれくらいの時期は好き? 私は、クリスマスから年末にかけての雰囲気が嫌い。師走は確かに忙しいんだけど、街全体が急いでるというか、急がされるというか。いつも寂しい気持ちになります。人が盛り上がるほど、それに乗りきれない自分が辛いのかも。もともと非日常は苦手なんだけど、尾崎くんはライブやらなんやら、非日常な毎日は疲れませんか?

しかし東京はどこもかしこもイルミネーションだね。電気代は大丈夫なのかな。実家にいた頃はイルミネーションをやってる家が物珍しくて、わざわざ親と車で見に行ったりしてたな。遮るものもないから、3キロ先の電光だって見えるんだけどさ。電光の明るさって、なんか東京の象徴っぽい。でも時々、田舎の真っ暗闇が懐かしくなるよ。

  • 植本一子

    1984年、広島生まれ。2003年にキヤノン写真新世紀で荒木経惟氏より優秀賞を受賞。下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げ、一般家庭の記念撮影をライフワークとしている。2017年1月末に著書『家族最後の日』(太田出版)が発売予定。