vol.
015
DECEMBER
2016
vol.015 / 往復書簡
植本一子(写真家)× 尾崎世界観(音楽家/クリープハイプ)
東京を舞台に、日々の想いを交換するふたり
2017.01.11
植本一子(前回決めた呼び方)、お久しぶりです。
年末は好きだなぁ。街に居る人達が元気で、テレビも特番ばかりで面白いし。子供の頃から年末が好きだった。
その代わり、正月が苦手です。例えるなら、ツアー中、地方で打ち上げをして、散々飲んで盛り上がったのに、次の日の朝にホテルのロビーに集合した時のバンドメンバーのテンションのよう。
年が明けた途端、妙にさっぱりしていて、年末のあの熱狂はどこに行った?そんな簡単に去年の事を忘れられるのか?と寂しくなる。これは男だからなんだろうか?別れた相手をいつまでも引きずっているのも、男の方が多い気がするし。
特に三が日が嫌いで、修行しているような気分になる。なんとなく「ゆっくり過ごす」というあの強制的な雰囲気のせいで、ゆっくり出来ない。ゆっくりしなきゃと思えば思う程、変に焦ってしまう。今だって、正しくどう書くのか漢字を調べたら、三が日なのか、三ヶ日、三箇日なのか曖昧でモヤモヤした。
「年末だから」は開放的な意味になるけど、「正月だから」は閉鎖的な意味に感じてしまう。
今、ギターを買おうか迷っています。凄く高価なギターを買おうと決心したのに、楽器屋の店員が理屈っぽい嫌な奴で、買う気が無くなって来た。でも、本当は高いギターを買うのが怖いから楽器屋の店員のせいにしているだけかもしれない。どう思う?
なんか文句ばかりになってしまった。
年末だから良いか。