vol.
016
MARCH
2017
vol.016 / 往復書簡
小谷実由(モデル)× 土岐麻子(歌手)
東京を舞台に、日々の想いを交換するふたり
2017.04.12
今日は雨です。ラジオの収録の帰り、半蔵門のチェーン店でコーヒーを飲みながらお手紙を書いています。
知らない曲がかかっています。60年代の曲かな。いい曲だな。
お手紙を読んで、みゆちゃんの10代を想像しました。
私もライブハウスによく出かける若者でしたが、照明に照らされたフロアの人垣のなかからふと一人で来ているオシャレな女の子を見つけると、
どこから来たんだろう? どの曲が好きなのかな?
メンバーの恋人かな? どんな思いで聴いているんだろう。
などと、共感のような…いや、なぜか憧れに似た想像をしたものでした。
知らない人に憧れる、って、なんか変だけど、私はすごく好きな気持ちです。
いまの観察的な歌詞のスタイルはそうやって生まれたのかも。女でも男でも、大人でも子供でも、すれ違う人に心を持って行かれて、一瞬その人生に憧れる気持ち。人がごった返す東京ならではなのかもしれないです。
みゆちゃんのことは日々、インスタグラムで見ているけど、私にとってはかつてのライブハウスの女の子達と同じように、まだまだ、知らない人。
知らないって、贅沢な瞬間だなぁと思います。
これから知っていくスリルがあるし、これから知られていく楽しさがあるのだから!
今回、このお手紙で少し“知り合えて”、嬉しかったです。
カレー食べに行きましょう。
3月生まれの会もしましょう。
ワクワクしたので、そろそろお店を出ようっと。
その前に、さっきBGMで聴いた知らない曲を調べてからにしよう。